必修は100問・200点満点で、160点以上(80%)が絶対基準です。一般問題は1問1点、臨床実地問題は1問3点なので、落とせるのは合計40点だけ。臨床実地問題を13問落とすと39点を失います。出題基準の必修は18項目で、主要症候(約15%)、一般的な身体診察(約13%)、主要疾患・症候群(約10%)、救急初期診療(約9%)の4項目で必修の半分近くを占めます。このページは、その配分をもとに必修の勉強を組み立てます。
必修で何が起きるか
必修問題は、B・Eの2ブロック、各50問、合計100問です。合格基準のうち、必修だけは他の受験者の成績に左右されません。毎回80%の絶対基準です。一般・臨床の基準点が下がった年でも、必修の160点は変わりません。
必修の臨床実地問題は1問3点です。症例を提示して、診断や初期対応を問う形式です。一般問題と臨床実地問題は、第120回の分析(民間予備校、二次情報)では各50問で、臨床実地問題には2連問が10組含まれていました。連問は、1問目の判断が2問目に影響しやすい点に注意が要ります。
同じ分析では、必修で正答率が80%以上の問題が約84問でした。裏を返せば、約16問は2割以上の受験者が間違える問題です。落とせる点数は40点ですから、その16問に含まれる臨床実地問題で3点ずつ失うと、余裕はすぐに尽きます。基礎的な問題を確実に取り、難しい問題で崩れない構えが必要です。
18項目の配分
厚生労働省の令和6年版ブループリントは、必修の基本的事項を18項目に分け、必修内の割合を示しています。必修は100問なので、割合はおおよその問題数に読み替えられます。ただし、概数であり、各回の実際の出題数とは異なります。
| 項目 | 割合 | 問題数の目安 |
|---|---|---|
| 7 主要症候 | 約15% | 約15問 |
| 8 一般的な身体診察 | 約13% | 約13問 |
| 12 主要疾患・症候群 | 約10% | 約10問 |
| 11 救急初期診療 | 約9% | 約9問 |
| 2 社会と医療 | 約6% | 約6問 |
| 6 医療面接 | 約6% | 約6問 |
| 9 検査の基本 | 約5% | 約5問 |
| 17 生活習慣とリスク | 約5% | 約5問 |
| 1 医師のプロフェッショナリズム | 約4% | 約4問 |
| 4 医療の質と安全の確保 | 約4% | 約4問 |
| 10 臨床判断の基本 | 約4% | 約4問 |
| 13 治療の基本 | 約4% | 約4問 |
| 14 基本的手技 | 約4% | 約4問 |
| 5 人体の構造と機能 | 約3% | 約3問 |
| 3 診療情報と諸証明書 | 約2% | 約2問 |
| 15 死、緩和ケア、終末期ケア | 約2% | 約2問 |
| 16 チーム医療と多職種連携 | 約2% | 約2問 |
| 18 一般教養的事項 | 約2% | 約2問 |
当サイトでは、この18項目を2つの領域ページに分けています。項目1〜4と15〜18(合わせて必修の27%)は医師の責務・倫理・社会・安全に、項目5〜14(73%)は臨床の基本にまとめました。
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配分から導く勉強の順番
1. 主要症候・身体診察・主要疾患・救急(約47問)
4項目だけで必修の半分近くです。症候(発熱、胸痛、腹痛、意識障害など)から始め、「最初に疑う疾患」「見逃してはいけない疾患」「最初にする検査」の3点を、症候ごとに1枚にまとめます。救急初期診療は、ABCDEの順に何を確認するかを声に出して言えるようにします。
2. 制度・倫理・安全(約27問)
暗記で取れる分野です。一方で、法律の条文や制度の名称の取り違えで落としやすい分野でもあります。次の医師法の条文は、必修で確認する価値が高い項目です。いずれも法令検索(e-Gov)の現行条文で確認できます。
| 条 | 内容 |
|---|---|
| 第16条の2 | 診療に従事する医師は、2年以上の臨床研修を受けなければならない |
| 第17条 | 医師でなければ、医業をしてはならない |
| 第19条第1項 | 診察治療の求めがあった場合、正当な事由がなければ拒んではならない(応召義務) |
| 第20条 | 自ら診察しないで、治療をし、診断書や処方箋を交付してはならない。ただし診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合の死亡診断書は交付できる |
| 第21条 | 死体や妊娠4か月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出る |
| 第24条 | 診療したときは遅滞なく診療録に記載し、診療録は5年間保存する |
死亡診断書の書き方は、厚生労働省の「死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル」に従います。記入例を一度、自分の手で書いてみると、項目の取り違えが減ります。
3. 検査・臨床判断・手技・治療の基本(約17問)
検査値は、基準値を覚えるだけでなく、「どの異常が緊急か」を分けて覚えます。感度・特異度、検査前確率、診断閾値といった臨床判断の基本は、数値で答える問題が1回に3問ほど出るため、計算の手順は確認しておきます。式を暗記するのではなく、2×2表を自分で書いて導けるようにします。
4週間のルーティン
どの時期から始める場合でも、必修を週のどこかに固定する習慣が有効です。次は、1週間のうち必修に使う時間の一例です。
- 月曜:症候と診察。主要症候の1枚まとめを3つ作る。そのうち1つは、見逃してはいけない疾患を中心に。
- 水曜:救急。ABCDEの手順と、アナフィラキシー、ショック、気道緊急などの初期対応を復習する。
- 金曜:制度・倫理・安全。上の医師法の表と、医療安全、診療情報、証明書の項目を確認する。
- 土曜:通しの演習。必修の一般問題と臨床実地問題を、本番と同じ順に解く。採点は一般を1点、臨床実地を3点で行う。
- 日曜:誤答の分類。知識の欠落、取り違え、読み違い、判断の誤りの4つに分けて記録する。
落とし穴とその直し方
- 臨床実地問題の3点を軽く見る。復習の優先度は、失点の大きさで決めます。1点の問題を10問直すより、3点の問題を3問直す方が効率的な場合があります。
- 連問の1問目を飛ばして2問目を考える。1問目の前提を確定させてから、次に進みます。
- 「禁忌」に関わる選択肢を選ぶ。臨床実地問題は、避けるべき選択肢を含みうる形式です。合格基準の禁忌肢の条件は合格基準と禁忌肢のページにあります。
- 制度の数字を取り違える。年齢、期間、回数など、数字が絡む知識はカードにして、毎週見直します。
まとまった学習時間が取れる日には、勉強スケジュールの必修演習の枠に、上のルーティンを当てはめてください。
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Frequently asked questions
必修は何問で、何点満点ですか。
必修は100問(BとEの2ブロック、各50問)で、200点満点です。一般問題は1問1点、臨床実地問題は1問3点で採点されます。
必修の合格基準は毎年同じですか。
第117回から第120回のいずれも、200点満点中160点以上でした。必修は絶対基準で、他の受験者の成績によって動かない仕組みです。
必修で最も出る項目は何ですか。
令和6年版ブループリントでは、主要症候が約15%、一般的な身体診察が約13%、主要疾患・症候群が約10%、救急初期診療が約9%です。概数であり、各回の実際の出題数とは異なります。
必修を落とすと、一般・臨床の点が高くても不合格ですか。
はい。必修が160点に届かなければ、他の条件を満たしていても合格できません。必修、一般・臨床、禁忌肢の3条件を全て満たす必要があります。
必修の勉強は、いつから始めるべきですか。
早いほど有利ですが、遅くとも本試験の8週前(令和9年2月6日の8週前は12月12日ごろ)には、毎週の固定枠を作ってください。