この領域は必修100問のうち約73問で、400問全体では約18.25%、全領域で最大です。内容は医療面接、バイタルサイン、身体診察、主要症候、検査、臨床判断、救急初期診療、基本的手技、治療の基本、主要疾患の初期診断です。必修の臨床実地問題は1問3点なので、ここでの失点は大きくなります。
配分と位置づけ
ブループリントの必修内の割合は次のとおりです。主要症候約15%、一般的な身体診察約13%、主要疾患・症候群約10%、救急初期診療約9%、医療面接約6%、検査の基本約5%、臨床判断の基本約4%、治療の基本約4%、基本的手技約4%、人体の構造と機能約3%。合計は73%で、約73問に当たります。
残りの約27問は医師の責務・倫理・社会・安全です。必修全体の組み立ては必修対策のページにあります。
範囲:出題基準にもとづく項目
次の項目は、当サイトが令和6年版出題基準をもとに、この領域に割り当てた学習範囲です。
- 医療面接(開かれた質問、共感的態度、病歴聴取、悪い知らせの伝え方)
- バイタルサインの測定と評価(体温・脈拍・血圧・呼吸数・SpO2・意識レベルJCS/GCS)
- 全身・頭頸部・胸部・腹部の身体診察
- 神経学的診察(脳神経・深部腱反射・髄膜刺激徴候)
- 小児・高齢者の診察と成長・発達の評価
- 主要症候:発熱・全身倦怠感・体重減少
- 主要症候:胸痛・動悸・呼吸困難・失神
- 主要症候:腹痛・嘔吐・下痢・便秘・黄疸・吐血・下血
- 主要症候:頭痛・めまい・けいれん・意識障害・麻痺
- 主要症候:浮腫・貧血・リンパ節腫脹・出血傾向
- 検査の基本(感度・特異度・基準値、血算・生化学・尿検査)
- 画像検査の基本(単純X線・CT・MRI・超音波)と放射線被ばく
- 心電図・呼吸機能検査・動脈血ガス分析の読み方
- 臨床判断の基本(検査前確率、尤度比、診断・治療閾値)
- 救急初期診療(ABCDEアプローチ、BLS・ACLS、ショックの初期対応)
- 外傷初期診療(JATEC、気道緊急、緊張性気胸)
- 中毒・熱中症・アナフィラキシー・熱傷の初期対応
- 基本的手技(採血・静脈路確保・導尿・胃管・縫合・気管挿管・清潔操作)
- 治療の基本(輸液・輸血・薬物の投与経路・栄養療法・処方箋の記載)
- 主要疾患の初期診断(高血圧・糖尿病・脂質異常症・肺炎・脳卒中・急性冠症候群)
症候から鑑別を挙げ、初期に必要な検査と処置を選ぶ問題が中心です。診断名を当てるだけでなく、「まず何をするか」「してはいけないことは何か」を問われます。救急初期診療はABCDEの順に確認する手順が基本で、外傷初期診療(JATEC)、中毒、熱中症、アナフィラキシー、熱傷の初期対応が項目に挙がっています。
学習の優先順位
約73問を、症候(約15問)、診察(約13問)、主要疾患・症候群(約10問)、救急(約9問)、面接(約6問)、その他(検査・臨床判断・治療・手技・構造、約20問)に分けて考えます。症候と診察と主要疾患を合わせると約38問で、この領域の半分を占めます。
医療面接は、悪い知らせの伝え方や共感的態度が、症例形式の問題として出ます。「正しい対応」を選ぶだけでなく、不適切な対応が選択肢に並ぶため、患者の自己決定を尊重する観点で消去できるようにします。基本的手技は、清潔操作の原則と合併症をセットで問われます。
日本のガイドラインと診断基準
- 糖尿病の診断(日本糖尿病学会、糖尿病診療ガイドライン2024):糖尿病型は、空腹時血糖126mg/dL以上、75g OGTT 2時間値200mg/dL以上、随時血糖200mg/dL以上、HbA1c 6.5%以上(NGSP値)のいずれか。別の日の2回の糖尿病型(少なくとも1回は血糖値)で診断します。
- メタボリックシンドローム:腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上に加え、脂質、血圧、血糖の3項目のうち2項目以上。
- 蘇生:JRC蘇生ガイドラインと救急蘇生法の指針に従います。胸骨圧迫の深さやテンポなどの数値は版で変わりうるため、最新版で確認してください。
- 脳梗塞のrt-PA静注療法:発症から4.5時間以内などの時間窓と禁忌が問われます。数値は日本脳卒中学会の最新の適正治療指針で確認してください。
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典型的な落とし穴3つ
- 検査の指標を取り違える。感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率は、2×2表から自分で導けるようにします。数値入力型の計算問題でも使います。
- 糖尿病の診断で「1回の測定」で決める。糖尿病型が1回あっただけでは、原則として診断になりません。別の日に2回の糖尿病型(少なくとも1回は血糖値)が必要です。例外として、慢性高血糖の症状や確実な糖尿病網膜症があれば、1回でも診断できます。
- 救急で手順を飛ばす。気道・呼吸・循環・意識(D)・体温などの環境(E)の順に確認します。診断のための検査を、安定化より先にしてはいけません。
復習の進め方
- 症候を1枚にまとめる。発熱、胸痛、腹痛、意識障害など、主要症候ごとに「最初に疑う疾患」「見逃してはいけない疾患」「最初の検査」を書きます。
- 身体診察を声に出す。診察の手順を、頭頸部、胸部、腹部、神経の順に、所見の意味とあわせて言えるようにします。
- 救急は手順カードにする。ABCDEと、アナフィラキシー、ショック、気道緊急の初期対応を、カードにして毎週確認します。
- 手技は清潔操作の原則から。採血、静脈路確保、導尿、胃管、縫合の注意点を、合併症とセットで整理します。
全体の計画は勉強スケジュールに、合格の3条件は合格基準と禁忌肢のページにあります。
Frequently asked questions
この領域は何問出ますか。
必修100問のうち約73問、400問全体の約18.25%と推定されます。ブループリントの割合の按分で、各回の実際の出題数とは異なります。
一番配点が大きい項目はどれですか。
必修内の割合では、主要症候が約15%で最大です。一般的な身体診察が約13%、主要疾患・症候群が約10%、救急初期診療が約9%と続きます。
rt-PAの数値は覚えるべきですか。
時間窓と禁忌の考え方は重要です。ただし数値は指針の改訂で変わりうるため、日本脳卒中学会の最新の適正治療指針で確認してから覚えてください。
蘇生の数値はどこで確認しますか。
日本蘇生協議会のJRC蘇生ガイドラインと、救急蘇生法の指針の最新版で確認してください。