この領域は必修100問のうち約27問(27%)、400問全体では約6.75%です。内容は医師のプロフェッショナリズム、社会と医療、診療情報と諸証明書、医療の質と安全、死と終末期ケア、チーム医療、生活習慣とリスク、一般教養的事項です。必修は160/200点が条件で、制度の問題を取りこぼす余裕はありません。数字と条文で問われる部分が多く、覚えれば確実に取れる分野です。
配分と位置づけ
令和6年版ブループリントで、必修内の割合は次のとおりです。項目1 医師のプロフェッショナリズム約4%、項目2 社会と医療約6%、項目3 診療情報と諸証明書約2%、項目4 医療の質と安全の確保約4%、項目15 死、緩和ケア、終末期ケア約2%、項目16 チーム医療と多職種連携約2%、項目17 生活習慣とリスク約5%、項目18 一般教養的事項約2%。合計は27%で、400問にすると約27問です。概数であり、実際の出題数とは異なります。
同じ必修のもう一つの領域は臨床の基本(約73問)です。両方を合わせて必修の100問になります。
範囲:出題基準にもとづく項目
次の項目は、当サイトが令和6年版出題基準をもとに、この領域に割り当てた学習範囲です。
- 医師のプロフェッショナリズムと医の倫理(ヘルシンキ宣言・ジュネーブ宣言・患者の権利)
- インフォームド・コンセントと説明義務・自己決定権
- 守秘義務と個人情報保護(刑法134条・個人情報保護法)
- 医師法上の義務(応召義務・診療録・異状死体の届出・無診察治療の禁止)
- 診療情報の開示と診断書・死亡診断書・出生証明書などの諸証明書
- 医療安全(インシデント・アクシデント報告、医療事故調査制度、患者誤認防止)
- 院内感染対策(標準予防策・手指衛生・感染経路別予防策)
- 医療の質(EBM、クリニカルパス、PDCAサイクル、医療の質指標)
- 社会保障制度と医療保険(国民皆保険、高額療養費、公費負担医療)
- 医療提供体制(医療法、病院・診療所、地域包括ケア)
- 緩和ケア・終末期医療・アドバンス・ケア・プランニング(ACP)
- 死の判定・死亡診断と脳死・臓器移植(臓器移植法)
- チーム医療と多職種連携(看護師・薬剤師・MSW・リハビリ職)
- 生活習慣とリスク(喫煙・飲酒・肥満・運動不足・睡眠)
- 一般教養的事項(医学史、情報リテラシー、研究倫理、基礎的な統計)
- 児童虐待・DV・高齢者虐待の発見と通告義務
- 臨床研修制度と医師の生涯学習(医師法16条の2)
- 医薬品・医療機器の安全性(副作用報告・薬機法)
出題は、法令や制度の知識を問う一般問題と、症例の場面で倫理的・法的な対応を選ぶ臨床実地問題の両方で現れます。知識として「知っている」だけでなく、「その場面でどの対応が許されないか」を判断できる必要があります。患者に重大な不利益を与える対応は、合格基準の禁忌肢に関わりうる点にも注意してください。
学習の優先順位
この領域は、範囲が広い割に、1項目あたりの問題数は少なくなります。優先順位は3段階で考えます。第1に、条文と数字で問われる医師法・個人情報・証明書の項目。第2に、医療安全(インシデント・アクシデント、医療事故調査制度、院内感染対策)の定義と報告の流れ。第3に、倫理・社会保障・医療提供体制の概念です。第1段階は暗記だけで得点でき、第2・第3段階は症例形式の問題で応用が問われます。
死の判定・脳死・臓器移植、緩和ケア・ACP、児童虐待・DV・高齢者虐待の通告義務、臨床研修制度も出題基準に含まれます。通告義務の対象と窓口は、社会福祉の領域とあわせて確認すると、臨床実地問題での判断が速くなります。
日本の法令で確認する点
医師法の次の条文は、現行条文(e-Gov法令検索)で確認できます。
| 条 | 要点 |
|---|---|
| 第7条 | 行政処分は医業停止(3年以内)、免許取消し、戒告 |
| 第16条の2 | 診療に従事する医師は2年以上の臨床研修 |
| 第17条・第31条 | 医師でなければ医業をしてはならない。違反は3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
| 第19条第1項 | 診察治療の求めを、正当な事由なく拒んではならない(応召義務) |
| 第20条 | 自ら診察しないで治療、診断書・処方箋の交付をしてはならない。診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合の死亡診断書は交付できる |
| 第21条 | 死体や妊娠4か月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署へ届け出る |
| 第24条 | 診療録は遅滞なく記載し、5年間保存する |
| 第32条 | 医業停止の期間中の医業は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
死亡診断書(死体検案書)は、厚生労働省の記入マニュアルに従って作成します。診療情報の開示、個人情報保護法、守秘義務(刑法第134条)は、出題基準の項目に挙げられています。
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典型的な落とし穴3つ
- 「24時間」を2か所で取り違える。第20条の24時間は、診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に、改めて診察せず死亡診断書を交付できるという例外です。第21条の24時間は、異状があると認めた死体を検案したときに警察署へ届け出る期限です。同じ数字でも意味が異なります。
- 罰則の数字を混ぜる。無資格での医業は3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、医業停止期間中の医業は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。対象と数字を対にして覚えます。
- 応召義務を絶対的なものと考える。第19条は「正当な事由がなければ」拒んではならないと定めています。正当な事由があるかどうかを症例の事情から判断する問題が成り立ちます。
復習の進め方
- 条文は表にして一度に覚える。上の表を手書きで写し、数字を隠して言えるまで繰り返します。
- 死亡診断書を一度、自分で書いてみる。厚生労働省の記入マニュアルの例を使い、死因欄の項目の意味を確かめます。
- 医療安全は用語の定義から。インシデントとアクシデント、医療事故調査制度、患者誤認の防止を、定義と報告の流れで整理します。
- 週に1回、症例形式の倫理問題を解く。インフォームド・コンセントや守秘義務が絡む症例で、許されない対応を言葉にします。
全体の計画は勉強スケジュールに、合格の3条件は合格基準と禁忌肢のページにあります。
Frequently asked questions
この領域は何問出ますか。
必修100問のうち約27問、400問全体の約6.75%と推定されます。これは令和6年版ブループリントの概数からの按分で、各回の実際の出題数とは異なります。
医師法のどの条文を優先して覚えればよいですか。
第16条の2、第17条、第19条、第20条、第21条、第24条の6つを優先します。いずれも数字や期間、例外が問われやすい条文です。
診療録の保存期間は何年ですか。
医師法第24条により、診療録は5年間保存します。記載は遅滞なく行います。
死亡診断書の書き方はどこで確認しますか。
厚生労働省の「死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル」で確認します。最新版を参照してください。